高断熱・高気密な家(気密編)

前回は断熱編をお送りしました。
→断熱編はこちら

・気密性能とは


今回は気密編です。

前回の記事では、断熱材は服に例えました。
気密も同様に例えるなら、ファスナーやボタンといったものにあたります。
どんなに着込んだとしても、ファスナーが空いていたり、ボタンを閉じていなかったら寒いですよね?
暖かい空気が逃げにくくする能力が気密性能なのです。

気密性能はC値(㎠/㎡)という数字で表されます。
このC値、関東以南ではC値=5.0以下が気密住宅とされています。
実はこの数字、とても性能が悪いのです。
30坪の家であれば、およそ500㎠もの隙間が存在していることになります。
もはや、隙間とは呼べないサイズですよね。
高気密高断熱住宅では、C値は1.0以下が望ましいと考えられています。
出来れば、0.5前後を目指したいものです。

また、現代の住宅はシックハウス対策として、建築基準法で換気回数が決められています。
換気扇によって、室内の汚染された空気を排出するのですが、2時間で室内の空気を総入れ替えすることが定められているのです。(換気回数0.5回/時間)
実はこの換気回数を実現するためにも気密性能が重要なのです。

・気密性能の差で何が違うのか

では気密性能が低いと、冬はどんなことが起こるでしょうか?

暖かい空気は軽いため、どんどん上昇していきます。
家の中の空気の量は換気扇でどんどん排出したとしても、ある程度一定です。
気密性能が高いとしても、多少なりとも隙間は存在し、そこから空気が入ってくるのです。
しかし、気密性能が低いと、計画しているよりも多くの暖かい空気が家の中から排出され、計画していない冷たい空気が侵入してきます。
これではどんなにエアコンや暖房器具で暖めても意味がありません。

頭が暖かくて、足元が冷える、とても気持ち悪いですよね。
気密性能が高いと、排出される暖かい空気の量も、入ってくる冷たい空気の量も計画している通りになります。
「計画していない空気のやり取りをしない」
とても重要なことなのです。

・高気密の誤解

ところで、高気密というと、夏は息苦しくて、窓を開け放しておかないといけないイメージをお持ちの方もいらっしゃるようです。

ところがそのイメージは誤ったイメージです。

気密をファスナーやボタンで例えると、こうした誤解が生まれやすいのですが、断熱材編でも例えた魔法瓶で言えば、真空層がそれにあたります。
つまり、気密性能が高いと、コントロールされた室内の空気を逃しにくくなるのです。
夏場でも魔法瓶に氷を入れておくと、長時間、中の飲み物を冷やしてくれていますよね。
魔法瓶の真空層は内部と外部の熱のやり取りを遮断しています。

・高気密高断熱な家の注意点

ここまで気密、断熱についてお伝えしてきましたが、高気密高断熱にした場合、注意点があります。

それは、その特性である「熱を逃しにくい」ということ。

夏場の日光はとても暑いことはみなさん実感していますよね。
しかし、実際は日光だけでなく、他のものからも熱を受け取っているのです。
真夏の東京のビル群の日陰を想像してください。
日光は当たっていませんが、到底気持ちいいとは思えませんよね。
それは日光以外からの熱によって、体が暖められているからなのです。
高気密高断熱な家にした場合は、これらに対する対策をしっかりと講じる必要があるのです。

・まとめ

全2回に渡って、高気密高断熱について取り上げてきましたが如何だったでしょうか?
高気密高断熱について、少しは伝えられたかなと思っています。

家を建てるということは、とても大きな支出です。
しかし、家は「買う」ものではなく、「つくる」ものです。
家は寝るためだけの場所ではありません。
そこで過ごす時間にこそ意味があるのだと思います。

求めている暮らしを実現するために、何が大事なのか。
今一度、考えてみてはいかがでしょうか?

私は、見えない場所にこそ、本質的な価値があると考えています。