「多摩産材を巡る木づかいツアー」


伐採された木の枝を払い、規定のサイズに切断

払われた枝や葉を貯めるための堰

スギ丸太の断面

ヒノキ丸太の断面

多摩木材センターの全景

グレーディングマシン

ヤング係数E130の表示

外構などにも使用される木材チップ
東京都産業労働局が主催する「多摩産材を巡る木づかいツアー」に参加してきました。

日本の国土の6割、東京都の4割は森林と言われています。
そのほとんどは多摩地域と島しょ地域に分布されていて、多摩地域にはスギやヒノキなどの針葉樹林が多いのが特徴です。
そして、その多くの木々は植樹されてから30年以上経過し、既に収穫の時期を迎えていますが、林業に携わる人は減少し続けているため、放置または収穫を待っている状況です。

そこで東京都ではそのような山を買い上げて開伐し、花粉の放出が少ない杉の苗を1ヘクタールあたり3000本を植樹するという施策を展開しているということでした。
しかし、その内容はなかなか厳しく、林業は存続の危機にあるように思いました。

日の出町にある多摩木材センターでは、多摩地域で伐採された木材のほとんどが集められます。
スギやヒノキ、サワラなどが主な樹種ですが、原木の競りを月に2回行なっており、一般のユーザーでも買えるそうです。
とても広い敷地の中に、多くの原木が競りを待ち、横たわっていました。
木のいい香りが漂っていて、なかなか気持ちよく思えました。

その後、あきる野市にある沖倉製材所で、乾燥する前の原木が帯鋸や丸鋸で切断され、様々な行程を経て柱や梁などの建材に製材されていく様子を見学させて頂きました。
剥いだ木の皮や製品にならない辺材も、チップにしたり木材乾燥機の燃料にしたりと、余すところなく活用している様は木への誠実な思いが垣間見えたように思います。

沖倉製材所にはグレーディングマシンもあり、建材の強度を測定することができます。
とても高価な機械ですが、これがないと構造計算をすることが出来ないので、私たちにとってはとても重要な機械です。
ヒノキの柱で実演していただきましたが、ヤング係数は130を記録しました。
全てがこの数値を出すわけではありませんが、多摩産の木材はとてもいい強度を持っていると言えます。

今回のツアーで、日本の林業が抱える大きな問題を目の当たりにしました。
日本は木造の技術が古くから根付き、今でも多くの建築物が木造で建てられていますが、海外から安く輸入される建材により、さらに日本の林業は疲弊していくことになります。
私たち設計者は日本の林業の現状をもっと知り、広めていく必要があるのかもしれません。
建材が安いことは決して悪いことではありませんが、日本の林業のためにもせめて国産の建材、可能であれば地産地消に努めていきたいものです。

消えゆく里山の考察はまた別の機会に。