今回は、なかなか一般の方には馴染みのない断熱手法について。

住宅の場合、断熱を施す箇所はいくつかあります。
それは、屋根(天井)、壁、窓、床下であり、それぞれ、個別に対策をし、全体のバランスを取ることで断熱性能が向上します。

断熱リノベーションプロジェクト【松戸の家】は築40年にもなる木造住宅です。

この頃の住宅は断熱的にはほぼ無断熱であり、同じく断熱材の効果がほぼ期待できない昭和55年基準のものも含めると、無断熱あるいは無断熱に近い住宅は全体の8割近くに及びます。

松戸を含む東葛エリアには同じ頃に開発されたため、このような住宅がたくさんあり、多くの方が暑さや寒さを我慢して暮らしていることでしょう。
本プロジェクトを通して、東葛エリアにお住まいの方々の住環境が向上されることを期待しています。


そもそも断熱って何?という方は過去に断熱・気密について取り上げているので、まずそちらをご覧ください。

→断熱とは?

→気密とは?


断熱工法は主に内断熱と外断熱に大別されます。

内断熱は壁の内部を断熱する方法です。
一方、外断熱は柱などの構造体の外側から断熱します。
どちらかが優れているということではなく、私たちは部位や状況、目的に応じて選択し、使い分けています。

新築の場合は比較的容易に行える断熱ですが、リノベーションとなると話が変わります。
リノベーションでは既に壁が仕上がっていることが多く、アプローチが限定されてしまうからです。

断熱リノベーションでは、断熱補強を行う際には、いくつかの手法が用いられます。

①既存の壁を壊し、断熱材を充填する
②既存の壁をそのままに、新しく内側に断熱層をつくる
③既存の壁の外側に新しく断熱層をつくる

①は新築住宅で最も一般的な内断熱です。
分厚い断熱材を入れない限り、内壁の位置は大きく変わらないため、室内が狭くなることはあまりありません。
壁内の空気が動かないようにすることがとても重要です。

②も内断熱です。
壁を壊さない分、解体費用が抑えられますが、断熱層が元々の壁の内側となるため、室内空間が狭くなります。
薄く性能の高い断熱材の使用が求められます。

③は外断熱です。
外部に足場を掛けるため、足場の設置費用がかかります。
また、外壁も更新しなければならず、コストがかかります。

それぞれにメリット、デメリットがある上、現状を確認してから全体の断熱方針を決め、選択していきます。
もちろん、コスト面との調整があるので、とても重要な作業となります。


【松戸の家】では、③を選択しました。
選択した理由は下記の通りです。

・外壁に傷みがあり、何らかの手当が必要なこと。

外壁には亀裂を補修した跡があり、過去に雨水が侵入した形跡がありました。断熱材にとって水分は厳禁です。
今後数年のうちに、再び雨漏りがあっては元も子もありません。

・和室の壁が真壁構造であり、壁内部に断熱材を入れることが困難なこと。

また和室の真壁は壁内部に断熱材を入れることが出来ず、②または③しか選択出来ませんでした。

・既存のアルミサッシがシングルガラスであり、断熱補強をすることで結露の発生が懸念されること。

断熱リノベーションで最も大事な箇所は窓(サッシ)です。
窓(サッシ)からは多くの熱が入り、逃げていきますが、ここを対策しないと多くの結露が発生し、結果として建物の寿命を縮めることになります。
断熱リノベで、窓(サッシ)の対策を施さない場合は注意が必要です。


ハウスメーカーなどで新築する際、多くの場合は決められた仕様の説明だけで終わってしまうこともある「断熱」。
私たちのような設計事務所は、その「断熱」のグレードも選択することが出来るという自由度があります。

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